まさに昭和の香り漂うパラダイス広島駅前。アジアンな広島庶民の台所「愛友市場」を横切って、お父さん達の夜の「ヒーリング横町」(シャッター街!哀!)を通り抜けると、そこにはこれぞ大衆娯楽の王道「広島日劇」が構えている。空気を伴にして横にそっと添い遂げているように存在するのが「むーん」だ。
「むーん」という可愛いんだか気難かしいんだかよくわからないネーミングのこの店は、入り口がガラス戸なのに黒いカーボンシートがコーティングしてあり、夜な夜なコンビニの前に集う髪の色がとてもポップな陽気な若人達の車高の低い車の窓のように敷居がある意味高く、今までは店の前まで来ては隣の「日劇」とのバランスのあまりの良さに驚きを覚えつつも、ある意味これまたポップアートな「日劇」のポスターとセットになったこの光景自体がまるでなにかのポスターのようでもあり、まるでその中に入るだなんて、、という思い込みによって日々は過ぎて行った。
だがしかし。今日はお客さまをお連れしての駅前散策のため、思いきって新世界へ。
カブなどのオサレ高級国産バイクが集いがち
この書体のインパクトはすごい
中に入るとなんとなんと、広い広い。びっくりなめくるめくパラダイス!が広がっておりました。あの間口からよくまあこんなに広がるんだなあ〜と感激ひとしお。さらに店員さんのオシャレな制服(モダーンなワンピース)と想像以上に明るく、意外に資本主義な「いらっしゃいませ〜っ」にもちょっと拍子抜け。いや、いいことなんですよ本当に。ちょっと意外だったもんで。うん。
なんと店内には池もありリラクゼーションにも気を配っている様子。
こんなエリアがあったり
こんなシートだったり
こんな感じだったり
こんな席もあったりと、店内を統一しているわけではなくあえていろんな空間で仕切っており、自分の好みの空間に行くことが出来る。これはすごいと思った。
その日の服装、ご一緒した人、目的にあわせて席を選んだらいいですねえ。
照明は上についてる蛍光灯と壁にちょっとある間接照明なのですが、この蛍光灯の意味が今のものと違って「蛍光灯って暗っ!」みたいな、本当に侘びしさが強調された、蛍光灯嫌いの私でも安易に許してしまうそんな感じなのです。
ステンドグラスが多用されている。
これは意外と普通ですが
これなんかはすごい素敵。趣味がいいのですよ。
ウイスキーコーヒー。560円。コーヒーにミルクポッドではなくウイスキーがついてくる。
エッグミルク。410円。甘くないので砂糖を自分でいれながら飲む。
飲み物にはパール同様、ピーナツが付いてきます。これがおいしい。
ところでコーヒーの値段は360円と近所にあるパールやブランカと同じ値段なのでこれは多分申し合わせているのかもしれません。
飲み物を注文した時に店員のおねえさん(この方は昭和30年代からここにいるらしい)が「今はこのようなものを注文される方が減ってきましてね。。」と、私達がそれらを注文したのでちょと嬉しそうに話されてました。
実は店にはもう一つ入り口があって、そちらのほうにはこのようなショーケースがありました。店内にもなぜかショーケースが。ここら辺のセンスはブランカみたいですね。
店員さんにきいたところ、ここは戦後の昭和20年代に出来たそうでもうかれこれ、、ん?50〜60年くらい?になるそうです。最近は毎日というほど「おねえさんみたいな」若い人がいらっしゃるんですよ〜と言っていた。流行っているのかしらねえ?と聞かれていたが、流行っているわけではない。と、おもいます。が、どうでしょう。
「むーん」はもっとふざけた、ちょとルーズなお店かと思ったらしっかりとしたパラダイスなお店でした。インターネットで調べてみたら、ここ、実は豆などをちゃんと売っている会社が経営しているお店だったんですね。
ははーん。ちゃーんとしているわけだな〜「むーん」。
また、行こ。
ハンバーグランチ610円(2007/10/02追加)
撮影風景。